早いところは1月4日(月)から、今日(1月5日)から仕事始め、という方が多いことでしょう。だいたい仕事始めは午前中に全体会議があって、午後から皆で神社やお寺に商売繁盛の祈願に行く、という感じで、1月6日あたりから本格始動する、というところが多いかと思います。

つまり、まだ正月気分が抜けない、というのがホンネ。
そこで今日は、肩の力が抜けた日報を。
「ビジネスに役立つかもしれないC-driven的オススメの噺」を一席ご紹介したいと思います。

だいたいこんな感じです。

  • 落語を聞くことで得られるスキル=話術の巧みさ、だけ?
  • 総じて話術の上達に役立つが、そのほかにもいろんな示唆に富む内容が
  • 例えば「古手買い」。正月気分をキリッと引き締める言葉があります

落語がビジネスシーンで生きるのはどんなとき?

聞いて楽しい落語ですが、元は法話とも言われており、そこには様々な知恵や学ぶべきところ、人間の強かさなどが含まれています。どの噺でも総じて話のテンポや切り返しの仕方など、会話をする上で、または話を聞いてもらう上で、真似すべきエッセンスがあると思います。

出囃子とともに登場した落語家が噺の前にちょっと話す、いわゆる“マクラ”は、お客さまの意識を集中させるために行う、“アイスブレイク”とも言えますし、オチ(サゲ)はミーティングの結論付けに似ているとも考えられるでしょう。

そういう視点で鑑賞すると、落語家のみなさんは古典・新作を演ずるに関わらず、時事問題から古い風俗に至るまで、見識の広さに驚かされるものです。

で、「じゃあ、実際にビジネスのどんなシーンで役立つか」というと、やっぱり「プレゼンの場」だと思っています。

  1. マクラ(アイスブレイク)
  2. 本題(プレゼン)
  3. オチ/サゲ(まとめ、印象付けのダメ押し、とでも言いましょうか)

……という構成には、落語もプレゼンも、相通ずるところが多いものです。

では、今この時期にオススメの噺は?

この時期に特に役立ちそうな噺を1つ選べ、と言われると、新春の寿ぎとして「三井の大黒」と言いたいところですが、ここはあえて「古手買い」という上方落語の噺をご紹介したいと思います。

私は桂米朝師匠のものしか聞いたことがないのですが、大変古い話で、今、演じられる方はなかなか少ないようです。割と耳の痛い内容なのですが、自戒を込めて挙げさせていただきます。

ざっくり「古手買い」

場面はある貧乏長屋。
ちょっと間の抜けた、でも気の良い職人が、嫁の弟が転がり込んできたのを機に、古着を与えることになりました。
しかしこの男、職人ということもあり、どうにも売り買い下手。
当時は掛け値を交渉(=値切り)してモノを買う時代だったので、これではいけません。
ということで、ちょっと口の達者な友人を伴って古手屋(古着屋)に買い物に行くことになりました。

この凸凹コンビをいぶかしがる古手屋の番頭。
「せっかくなので自分で値切らせて欲しい」と、そろばんを弾く男(職人の方、ですね)のとんでもない値付けに「盗んできたもんや、拾ってきたモン売ってんのと違います!」と怒り心頭に。
いになはれ(出て行け)! 人をバカにして」と、2人を捲し立てます。
(ここでは番頭さんのお怒りの言葉は略しますね)

さて、売り言葉に買い言葉。口の達者な友人の方は、
「『盗んできたモン売ってへん』て、そんなもん売る日があるんか? (略)聞くところによると、その道にあってその道を勤めん者は、“家職盗人、禄盗人”やと言うもんや! こんな店、二度と来るか!」と吐き捨てて出て行ってしまいます。

そこに出てきたのが店の主。
帰り際に聞いた客の言葉に、「なるほど客の言う通り。以前来た、とても古手を買うような客ではない人ならいざしらず、あの2人のような貧乏長屋の人間は明らかに自分たちの店の贔屓筋になる。それを、あんな風に帰したら、近い将来に来たかもしれない何十人もの客をしくじるのと同じや」と、諭すわけです。
この言い方が本当に……じわっと染みるのです。

ここに注目①

詳しくはYouTubeあたりでご覧いただきたいのですが、注目の言葉は「家職盗人・禄盗人」。
これは、能力があるにも関わらず慢心して、プロとしてしっかり自分の仕事を果たさない人間のことを指しているのですが、日々の業務の中で、つい「ちょっと手を抜いてもバレないか」と思ったり、「このくらいで良いやろ」という気持ちを戒する言葉として、響きますね。

他方、店主の「近い将来に来たかもしれない何十人もの客をしくじるのと同じことだ」というくだりは、ブランドイメージの毀損、“レピュテーション”のことを指しているとも言えるでしょう。

自分がこの主だったらこんな時どうしたら良いのか、それを想像することは、ビジネス上のリスク管理について考えることにつながるのでは、と思います。

ここに注目②

自分の客はどんな人か」というのを想定することは、こんな落語の中で描かれる時代から、商いにとって大切なこととされていたようです。
今で言うなら、ペルソナの設定ということでしょう。

単に購入者のデモグラデータだけでなく、その人のバックグラウンドや選ぶにあたっての価値基準などを踏まえて、“どんな人間が自分の店のモノ(製品/ソリューション)を購入するのか”を改めて考えることは、この人が“モノを買うまでに考えたり、行動したり、気になったりすること”を想像して、自分たちが考える“顧客との距離”とを掛け合わせて考え出す「カスタマージャーニー」を作る上での基盤にもなります。

本来ならペルソナは、

  • 営業担当者のような、普段から実際の顧客と接点を持つ人
  • カスタマーセンターのように、ある特定の要望を持つ顧客の対応をしている人たち
  • マーケティング担当者

これらの人が一緒になって作るのがベストだと思うのですが、そうもいかない、というケースもあるもの。また、「で、どうやって作ればいいのよ?」というご意見もあるかも知れません。

そんなとき、まずはちょっと第三者に相談する、というのもひとつの手でしょう。
私たちC-drivenは、そうしたご相談にもお答えしております。もし、ご興味があれば、ぜひお声がけ下さい。

ペルソナの作り方を相談したい、
コンテンツを作るための「カスタマージャーニーってなに?」という方は
こちらからお問い合わせください。

仕事モードに切り替えるときに聴きたい落語 〜 ビジネスの役に立つかもしれないC-driven的オススメ落語
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